ライド途中に電話が
かかってきた。
自転車で頭の中が
楽しくなっている時に、
頭の中をスキーに連れ戻される
かのようだった。
「シールの手入れ、
済ませましたよ。」
「了解、受け取りに
うかがいます。」
と、返事をして電話をきった。
新緑と菜の花と
鳥の声が聞こえる、
暖かなまわりの景色を
眺めた。
そうだ、まだ山は
雪がたくさんあるんだった。。
目の前では自転車に
乗っている人々が
楽しそうに会話をしている。
桜の時期が過ぎ、刻々と
移り変わる暖かなこの景色に、
スキーの思考は馴染まなかった。
よくよく考えてみると、
それだけ、ライドするときは
自転車に集中しないとならない
からだということに気づいた。
スキーショップから戻り、
夕飯を食べると、
夜桜を見に行こうという
話になった。
午前中は思川桜。
夜は八重桜。
無数のぼんぼりが美しい。
